【B】1991年12月~2006年1月…15年
優しくてのんびりした男の子
猫とは思えない性格でした
失明三毛猫Aと暮らしていたアパートが取り壊される事になり
移転先を探す事になった。
そのアパートには野良のキジトラ大家族が住み着いていて
住人から餌を貰っていた。
いつも数匹の子猫が産まれていたが、その年の子猫は1匹だけ。
その家族の子猫たち、餌は貰っても人間には近づかない教育をされていた。
なのにその年の子猫Bは違っていた。警戒心がまるでなかった。
うっかり部屋に入って来てしまい、外に出しても親猫に拒否されるのでは?
と心配になって我が家の子になりました。ここ取り壊されるし。
とてもおとなしくて、優しくのんびりした性格で
誰が来てもゴロゴロのどを鳴らしてお腹を見せて甘える子。
お水が嫌いで、高いところも苦手で抱っこされると不安になる。
後に判明するのだが、鼻の奥に腫瘍があり、脳に酸素がいき届かない
病気を持っていたので、運動神経も悪く のんびりおっとりしていたらしい。
ある日、仕事から帰宅するとBがカーテンの後ろに隠れていた。
タウンページで夜間診療している獣医さんを探して飛び込んだ。
「今夜が山です。朝まで酸素ルームに入れて様子を見ます」
「先生は病院にいるんですか?」「いえ、帰りますよ」
「じゃあ置いて帰れません!」「家に帰っても苦しいだけですよ」
「万が一の時に一人では可哀相なので連れて帰ります!」
家に帰り、またもやタウンページで動物病院探し
24時間診療で最新高度医療を提供する病院を見つけて駆け込んだ。
鼻の奥に腫瘍が見つかり脳にダメージがあると言われた。
一命をとりとめて日常生活に戻れた。
最初の病院、あそこに置いてこなくて良かった。
それから数年が経ち、私には長女が産まれていた。
Bは赤ちゃんにいつも寄り添って見守ってくれていた。
B15歳の年、急に食べれなくなり体調悪化。
治療に通ったが、最後は鼻から胃にチューブを入れて流動食を入れた。
チューブは顔に抜い付けられていた。皮下注射も毎日家でやった。
動けない苦しい時間を長引かせてしまった。
そこまでしない方が良かったのか?と迷ったが諦める事は出来なかった。
いつでも誰にでも優しい猫さんでした。癒しの時間をありがとう。